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ビジネススマートフォンカンファレンス2011[東京]
レポート[野村證券株式会社]


iPad/Handbookを活用した会議が最新情報に基づく的確な意志決定に貢献

野村證券株式会社 国内IT戦略部長 藤井 公房 氏

野村證券株式会社 国内IT戦略部長 藤井 公房 氏

金融サービスで知られる野村グループの中核企業として、そのコア事業である証券業務を担う野村證券株式会社。高度なノウハウに基づく資産運用コンサルティングの提供、国内外のネットワークや強固な資本力を活かした投資銀行業務など、「変化を作る」「ワールドクラス」「スピード」という3つのキーワードにより、様々な領域へとビジネスの幅を拡大し、個人から法人に至るあらゆる顧客の投資ニーズに応えています。

顧客サービスの向上を念頭にiPad導入を検討

野村證券おけるリテール向けビジネスを担う営業部門では、2010年4月にiPadが米国でリリースされたことを契機に、営業担当者による活用を主眼として同デバイスの導入に向けたプロジェクトを立ち上げました。「株価情報を入手したり、必要に応じてお客様に対して投資信託や保険のパンフレット、あるいは投資情報やコンサルティングツールなどをその場で速やかにお見せできるほか、Web閲覧や地図参照など営業活動を支援する様々な機能も提供されており、iPadは営業担当者にとって大きな武器になるものと考えました」と野村證券 国内IT戦略部長の藤井 公房氏は、プロジェクトに着手した背景を説明します。

最新情報を提供するためのコンテンツ配信基盤が不可欠

iPadの導入にあたっては、セキュリティや端末管理といった点をはじめ、いくつかの懸念点も存在しましたが、これに対し野村證券では、営業担当者にiPadを配布して、まずは実験的に運用を行い、随時問題点をフィードバックしながら、改善を施していくというアプローチをとることにしました。

その際、営業担当者がiPadに格納して持ち歩く投資信託や保険に関するパンフレットなどを常に最新の状態に保つためには、しかるべきコンテンツ配信基盤が不可欠であると考え、そうしたニーズを満たすサービスとしてインフォテリアの「Handbook」に注目。早速、インフォテリアに評価IDの支給を依頼、2010年5月28日のiPadの国内発売と同時にリリースされたHandbookのiPad版の登場を待って、2010年6月からその実験運用を開始しました。

「運用の結果、お客様の前でiPadを即座に起動して、株価情報やパンフレットなどをスピーディにお見せできるなど、iPadおよびHandbookが営業サービスの向上に大いに役立つことがすでに実証されてきている状況です。こうした成果を受けて、2011年6月をメドに、Handbookを搭載したiPadを営業担当者に対して本格的に展開していこうと考えています」と藤井氏は語ります。

会議におけるプレゼンテーションのあり方も変化

一方、野村證券の営業部門では、かねてよりIT統制の強化を進める中で、IT投資案件の検討などに際しても、2009年頃から利用を開始しているクラウド型のSaaS(Software as a Service)をベースに、関連情報の可視化、および部内での共有を図っていくという体制を整備してきました。もちろん、会議においても、同サービスに格納された情報を紙で出力し、資料として利用するという形がとられてきました。「これに対し、会議においてもiPad、Handbookを活用することで、会議のたびに必要となる紙や印刷に関わる人的労力を大幅に削減できるものと考えました」と藤井氏は語ります。

そこで、同社では部門内の一般的な会議、さらには役員会議にもiPadおよびHandbookを採用。各人がiPad上で必要な資料を参照しながら、スムーズに議論が進められる形を整えました。その結果、紙や印刷に関わる人的な労力の削減といった、当初、期待していた通りの成果が得られたことはもちろん、事前のコピーが不要になったことにより会議に先立つ資料提出についての締め切り時間も廃止でき、会議の直前までのビジネス環境の変化を見据えた、より的確な意志決定が可能となりました。

また、それに伴って、会議におけるプレゼンテーションのあり方も大きく変わったといいます。「特にこの場面におけるHandbook採用によるインパクトは大きく、例えば添付資料なども、紙ベースのときのように資料の末尾に置くというのではなく、そのページの右側などに小さくアイコン化しておいて、必要に応じて広げて閲覧するといった形で、より会議参加者の関心を引くような工夫も行えるようになっています」と藤井氏は説明します。

さらに、今回の東日本大震災において同社では、本社にあったiPadを急遽影響のあった支店に配布。「停電によりパソコンが使えない状況でも、iPadとHandbookで情報を配信できたことで、業務をスムーズに進めることができました」と藤井氏は、Handbookが災害対応のうえでも大いに役立ったことにも触れました。

iPadおよびHandbookで広がるビジネスの可能性

今後、野村證券では、iPadを利用したWeb会議などの検討も進めており、例えば訪問先でiPad上に本社のスタッフや海外のアナリストを登場させ、顧客に対してプレゼンテーションを実施するといった将来像も描いています。「そのほか、会議以外の日常的な情報共有やコュニケーションを促進する場として社内SNSを設置するといった方向性を考える際にも、iPadおよびHandbookは、その効果を最大化するうえで大いに有用なツールだといえるでしょう」と藤井氏。iPadおよびHandbookがビジネスにもたらす大きな可能性をあらためて強調し、セッションを閉じました。


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ビジネススマートフォンカンファレンス2011 速報レポート
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