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ビジネススマートフォンカンファレンス2011[東京]
レポート[日本コカ・コーラ株式会社]


新時代のマーケティング戦略の可能性を広げるスマートフォンの活用

日本コカ・コーラ株式会社 バイスプレジデント インターラクティブ・マーケティング&システムイノベーション 江端 浩人 氏

現在、206の国々で販売され、世界中の人々に親しまれているコカ・コーラをはじめ、ファンタやジョージア、スプライトなど、各飲料カテゴリーを代表する飲料商品の製造・販売で知られる日本コカ・コーラ。同社では、インターネット上に開設された登録者数1,000万人を抱える巨大サイト「コカ・コーラ パーク」を基盤にデジタルマーケティングを展開。今後、同サイトを中核にSNSやFacebookといったソーシャルメディアなども積極的に活用しながら、利用者が急速に拡大するスマートフォンへの対応も強化していこうとしています。

インターネットの普及を契機にマーケティングモデルを転換

1960年代以降、日本コカ・コーラでは、あらゆるメディアに単一のキャッチフレーズやビジュアルなどのクリエイティブを大量投下する「360度マーケティング」を戦略の中心に据え、テレビCMなどを中心に消費者への訴求を行ってきました。しかし、特に2000年頃からは、そうしたコカ・コーラの発信するメッセージが若者に到達していないという現象が世界中で起こり始めてきたといいます。「その具体的な要因としては、インターネットの普及によってテレビの視聴率が低下してきたことなどがあげられます。そこで、当社が目指したのが、従来のマーケティングモデルから、統合型マーケティングコミュニケーション(Integrated Marketing Communication:IMC)の実践にシフトすることでした」と日本コカ・コーラ バイスプレジデント インターラクティブ・マーケティング&システムイノベーションの江端浩人氏は語ります。

その一環として、2007年にはグローバルキャンペーンである「the Coke Side of Life」が日本においてスタートした際、例えば、自動販売機の内部を物語化したCGアニメ「ハピネスファクトリー」をテレビCMにおいてオンエアするなど、若年層にターゲットを絞ったブランド展開を積極的に展開。「我々の発信するコンテンツをテレビCMだけではなく、各種メディアに拡散させ、様々な場所にリンクしていく“Liquid and Linked”というコンセプトを掲げ、メッセージ発信のアプローチも“Impression”(印象)から“Expression”(表現)へと転換していくことにしました」と江端氏は言います。

消費者が表現者となるスマートフォンへの対応を強化

そうした中、2007年6月、日本コカ・コーラでは、自社の運営するWebサイトを大幅にリニューアルした「コカ・コーラパーク」をスタート。プロモーションやキャンペーンごとに分かれていたサイトを集約することで、顧客がサイト内を回遊し、ブランド・商品を横断して閲覧できるような形を実現しました。さらに、2009年には同サイト内での広告の販売も開始。「加えて、コミュニティの設置や外部のソーシャルメディアとの連携も推進。“会員による会員のためのサイト”を念頭に、消費者参加型のプラットフォームとしての拡充も進めてきました」と江端氏は説明します。

そうした取り組みと併行して同社では、他社との連携の可能性も積極的に検討。例えば2008~2009年には、新型車両「キューブ」の契約数を伸ばしたいと考える日産との共同キャンペーンを、コカ・コーラパークを中心に展開するといった取り組みも実施しました。その結果、キャンペーンのトップページへのアクセスが100万PVを記録するなど、当初予定の3.5倍もの参加者が得られたほか、キューブの販売台数も月販目標の2倍以上を達成。まさに“Win-Win”の成果がもたらされています。

さらに、今後に向けて、同社がマーケティングメディアとして、とりわけ大きな期待を寄せているのがソーシャルメディアおよびスマートフォンです。「特にスマートフォンに関しては、企業が一方的にメッセージを発信するだけではなく、消費者自身が表現者となり、相互に情報交換を行うというトレンドが進展する中で、そのプラットフォームとして重要な役割を担っていくことになります」と江端氏。これに対し日本コカ・コーラでは、2011年5月下旬、現在PCのみに対応している自社サイトをリニューアルし、スマートフォンに対応させる予定です。「そこでは、コンテンツが縦にスクロールするだけではなく、横にもスクロールするような、スマートフォンでの利用に適したインターフェイスといったものも用意したいと考えています」と江端氏は語り、同社のマーケティングにおいてスマートフォンを積極的に活用していくことを強調して基調講演を締めくくりました。


各セッションレポート公開中。

ビジネススマートフォンカンファレンス2011 速報レポート
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