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ASTERIAフォーラム2010 秋 [東京]
レポート[ライオン株式会社 様]

「ASTERIA WARP」でシステム間連携基盤を構築
次期システムの柔軟性と開発スピードを向上

ライオン株式会社 統合システム部 副主席部員 宇都宮 真利氏

ライオン株式会社 統合システム部 副主席部員 宇都宮 真利氏

石鹸、マッチの原料取次ぎに始まり、石鹸などのメーカーとして成長してきたライオンは、2011年で創業120周年を迎える。ライオン歯磨き、ライオン油脂と分社していた時代を経て、1980年に合併。現在は生活用品、衛生用品、さらに医薬品まで幅広いジャンルの製品を製造、販売している。ハンドソープ「キレイキレイ」、洗濯洗剤「トップ」、鎮痛消炎剤「バファリン」など数多くのヒット商品を生み出してきた。

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1980年代に構築したシステムを中核に拡張を重ね、複雑化

1980年にライオン歯磨きとライオン油脂という兄弟会社が合併し、現在のライオン株式会社が誕生しました。当時のライオンでは合併を期に、一気にIT化が進められました。1980年代に汎用機を中心としたシステムを構築し、1990年代には一部をオープン化、2000年代にはパッケージソフトの導入を進めるなど、時代とビジネスの変化に応じて拡張を重ねてきました。しかしオフコンを含めた完全なリプレースは行われず、中核部分の老朽化やシステム全体の複雑化が大きな課題となっていました。

ASTERIA WARPを使用したシステム間連携基盤で疎結合を実現

次期システム構築の際、新たに整備されることになったのがシステム間の連携基盤です。そのための仕組みとして採用されたのが、ASTERIA WARPでした。従来はサブシステム毎にシステム連携機能を開発してきましたが、改修や拡張のたびにそれらを再開発しなければならず、開発スピード、コストの両面で大きな負担になっていました。システム連携基盤を整備すれば、今後のシステム開発がスムーズになります。「さらにシステム間の疎結合連携を実現することで、システム全体の柔軟性を大きく向上できる方策」だったと、ライオン株式会社 統合システム部の宇都宮 真利氏は語ります。

機能要件、非機能要件、使いこなせるSIerの三拍子揃った製品を選択

当初、課題解決のためにシステム全体の再構築も検討されましたが、数十億円から百億円程度のコストがかかる見込みとなりました。そこで完全な再構築ではなく、優先度の高いシステムのみを再構築し、それ以外をマイグレーション開発で対応することで、既存資産を有効活用することになりました。そのために必要とされたのが、システム間の連携基盤でした。

連携基盤に使用するパッケージの選定においては「機能要件だけではなく、非機能要件、さらに製品を使いこなせるSIerがついていることを条件にした」と、宇都宮氏は説明してくださいました。提案書をベースに絞り込んだ3社には、デモ案件について具体的な提案をしていただき、それにより提案力と開発力を総合的に判断したそうです。データ連携だけではなく開発ツールとしての柔軟性があり、既存ホストバッチ処理の再構築にも活用できること、それを使いこなし、工夫をこらした提案を行なうSIerがいたことが、ASTERIA WARPを選ぶ決め手となりました。

アドオン開発、ワークフローやシステム監視製品との連携など独自活用も

システム間連携基盤の構築の際、データ連携の基盤となる共通APIを開発し、システム間を簡単に連携できるよう工夫しています。開発したアドオンとASTERIA WARPの基本機能を組み合わせてシステム連携のひな形を作り、サブシステムの仕様により使い分けられる仕組みです。システム移行が順次進んでいけば、短期間のみの暫定的なシステム連携も必要になるでしょう。「ASTERIA WARPなら短い工数でシステム連携が可能なので、一時期のみ利用するものに多大なコストを投じる必要がない」ということも、巨大システム再構築において大きなメリットになると宇都宮氏は認めています。

新システムではワークフローとASTERIA WARPを連携させ、データ連携のステータス管理を行なうなど独自の活用手法も取り入れています。複雑な処理ではフローを組み合わせて対応していますが、それぞれのフローの実行状況や中間ファイル生成の状況を、ワークフローのコンソールで一元管理できるようになっています。また、システム監視製品とASTERIA WARPを連携させることで、障害対応のスピードと確実性を向上させる取り組みも行なっています。

ライオンではASTERIA WARPの開発ツールとしての側面にも注目しています。ホストシステムを順次オープン化していく上で、パッケージ製品の導入、スクラッチ開発と並び、バッチ型処理にはASTERIA WARPを適用していく予定だと説明しました。

今後予定されるサブシステムの開発スピード向上に大きな期待

今回のシステム再構築でライオンは、システム間連携基盤を構築し、サブシステム同士の疎結合を実現しました。一方で多くのサブシステムをマイグレーション対応しているため、今後はこれらのサブシステム群を再開発していかなければなりません。しかし「従来とは違い、サブシステムの開発のたびにシステム間連携の機能まで作りこむ必要がなくなったため、今後の開発はずっとスムーズでスピードの速いものになるだろう」と、宇都宮氏は期待しています。

*このレポートに掲載された情報は2010年11月現在のものです。
*各会社名、各製品名は、各社の商標または登録商標です。


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