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イベントレポート

イベントレポート (2016/11/25開催)

2時間で超特急開発!「駅すぱあと×ASTERIA」を使ったハッカソンイベントを開催しました

ハッカソンイベント集合写真


去る2016年11月25日、乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を運営する株式会社ヴァル研究所のオフィスにて、インフォテリア初となるハッカソンイベントを開催しました。

今回のイベントは、インフォテリア × ヴァル研究所 × 学校法人電子学園日本電子専門学校の3法人が連携しての開催。ITエンジニアから学生さんまで、新サービス活用の発想力やシステムデザイン力などのスキルアップを目指す、約30名の皆さまにご参加いただきました。

ハッカソンイベント 会場

参加者層は、エンジニアの方はもちろん、非エンジニアで普段はマーケティングなどの仕事をされている方など、年齢層も業種も様々。皆さん最初は緊張した面持ちでしたが、アイデアソンやハッカソンなど沢山のワークを通じてすっかり打ち解け、最後まで和気藹々とした雰囲気の中での開催となりました。

Increments株式会社 及川氏による講演

「これからのエンジニアに必要なスキルとハッカソン」

ハッカソンイベント 及川氏講演

イベントの冒頭には、今回のハッカソンの審査員長も務められたIncrements株式会社 の及川卓也氏による講演も。「これからのエンジニアに必要なスキルとハッカソン」というテーマで語られた講演では、IT技術トレンドの移り変わりや歴史を振り返りながら、今のエンジニアに求められる技術力と、それに伴うソフトスキルについて語られました。

及川氏の言う「ソフトスキル」とは、コミュニケーション力やプレゼン力など、プログラミング技術以外の力。「ソフトウェア開発は、プログラミングだけではない」からこそ、こうしたチームでの開発を通じて学べることは非常に多いと説明。

ハッカソンイベント IT業界で主役の企業たち

また通常のハッカソンでよくあるのが、開発が最後までできずに途中で終わること。

とはいえ限られた時間なので、結果発表では、たとえ開発途中であってもその時点で結果が判断されます。だからこそ、最初から最後まで「自分たちは誰のための、どんなプロダクトを作るのか?」という問いをチームで共有し、その明確な答えを最後まで持ち続けることが重要と話しました。

ハッカソンイベント 及川氏の話に引き込まれる参加者の皆さん

及川氏の話に引き込まれる参加者の皆さん。

これから挑むハッカソンに向けた具体的なアドバイスはもちろん、そもそもこうしたニーズはどのように具体化するか?という方法まで、及川氏のお薦めの書籍などもあわせて紹介されました。

▼ 参考リンク:

今回及川氏に講演いただいた内容は、下記URLより資料がダウンロードいただけます。

docs.google.com…edit#slide=id.p

メインのハッカソン企画、まずはルール説明から

及川氏の講演が終了し、いよいよハッカソン企画へ移ります。

まずは今回の企画やルールの説明も兼ねて「駅すぱあとWebサービス」と「ASTERIA WARP Core」をそれぞれの担当から紹介。

ハッカソンイベント ヴァル研究所開発部 伊藤氏による機能紹介

ヴァル研究所 開発部 伊藤 聖吾氏が、駅すぱあとAPIを使って実際にできることや、詳細の機能などを紹介していきます。

ASTERIA WARP Coreや、設計手順についての説明は、当社で営業推進を務める東出が担当。実際に今回東出が考えてきたアイデアを見せながら、どのようにシートに落とし込んでいくかを紹介していきます。

ハッカソンイベント 営業推進 東出による設計手順説明

参加者の皆さんも少しずつ、頭の中でどんなサービスを作ろうか?というアイデアを膨らましながら聞いてくださったのではないでしょうか。

アイデア爆発!アイデアソン、頭の中身をアウトプット

ルールやシステムの説明が終了し、いよいよ皆さんには具体的なサービスづくりのアイデア出しにチャレンジしていただきます。

アイデアを出していく「アイデアソン」は、ヴァル研究所 Business Development Dept. 伊藤 英明 氏がメンターとなって進行していきます。突然、なんでもいいからアイデアを!と言われても難しいですが、どう考えるのが良いか?というアイデア出しのコツやポイントを紹介しました。

ハッカソンイベント ヴァル研究所 伊藤氏がメンターとなって進行

アドバイスを受けて、皆さん早速デスクに向かいます。

これまでの経験、自身が困ったと感じたこと、こんなものあったらいいなという夢… 色々な記憶や要素をポストイットなどを使って出していきます。

ハッカソンイベント 色々な記憶や要素を書き出す 画像1

ハッカソンイベント 色々な記憶や要素を書き出す 画像2

時間制限もあり、高まる緊張感…!

ここで出すアイデアは、このあとのハッカソンで作るサービスの「種」となるもの。

皆で続々とアイデアを出したあとは、場所を会議室から広いスペースへ移動。

黙々と一人で作業をしたのとは一転、今度は身振り手振り!皆さんそれぞれのアイデアをペアになった相手にプレゼンテーションしていきます。

こちらも短い時間の中で、その価値を明確に伝えて、さらにそれに対して相手からフィードバックをもらい、より良いアイデアにしていきます。

ハッカソンイベント ペアになってプレゼンテーション

ここでも、相手のアイデアを真っ向から否定したり、ネガティブに捉えたりすることのないようなコミュニケーションのコツや仕掛けを取り入れています。

こうすることで参加者全員が、自信を持って自分のアイデアを発表できるんですね。

ハッカソンイベント ペアを入れ替えてアイデアを膨らませる

ペアを入れ替えながら、一通りアイデアを膨らませたあとは、元のデスクへ戻ります。いよいよ最終のアイデア案を出すとき。グループワークでもらった意見や反応を参考に、もう一度、アイデアを磨き直します。

そうして出来たのが「アイデア・スケッチ」と呼ばれるワークシート。 自分が考えたサービスを “ずばり一言で” 説明するための項目が用意されていたりと、自分以外の人に対して、明確に価値を説明するための工夫が散りばめられていました。

ハッカソンイベント 「アイデアスケッチ」

ハッカソンイベント 机に並べられた「アイデアスケッチ」

出来上がったアイデア・スケッチをデスクの上に置いて、いよいよ投票!

全員で席を立ち、まわりのアイデアを見て回ります。気に入ったものには「⭐」で投票していきます。

ハッカソンイベント 「アイデアスケッチ」に投票

こうして人気のアイデアが絞り込まれ、発案者たちがプレゼン形式で自身のアイデアを発表しました。

ハッカソンイベント アイデアの発表

情熱枠ということで、票は少なかったものの「どうしてもこのサービスを作りたい!」という立候補にも手が挙がり、会場は熱気に包まれます。

そして全員の発表が終了したあとは、この後の開発に取り組むアイデアごとにグループを結成。「このアイデア面白いね!」と思った人に加盟していくことでチームを作るのですが、ここでも、発案者が別のアイデアに乗り換えたりといった波乱が続々起こりました。何があるか分からない!それがこうしたイベントの面白さですね。

ハッカソンイベント アイデアごとにグループを結成

最終的に出来上がったのは、5つのチーム。

それぞれのチーム名は「チーム新井」「Need for WC」「いわさき」「呑兵衛」「下克上」と、こちらも個性豊かな並びになりました。

2時間限定の超特急開発がスタート!

ハッカソンイベント 開発スタート

さあ、いよいよここからが本番!

それぞれに決定したアイデアを「ASTERIA WARP」を使って「動くサービス」に変えていきます。どのように設計するか?描いたアイデアを形にするか?全員で試行錯誤しながら考えていきます。

各チームには、ASTERIA事業本部のメンバーがサポーターとして入り、それぞれのチームの開発をお手伝い。

各チームには、ASTERIA事業本部のメンバーがサポーターとして入り、それぞれのチームの開発をお手伝い。「どうすれば今考えているアイデアをシステムに落とし込めるのか?」を真剣に考えながら、限られた時間の中での開発を進めます。

果たして、すべてのチームが2時間で開発を終えることができるのか!?

ドキドキしながら見守ることしかできないレポーター(兼撮影担当)。皆さん、頭フル回転です。

ハッカソンイベント 進められる開発

ハッカソンイベント 開発の様子

実際のワークフローはこんなイメージ。

通常はプログラミング開発が必要なシーンですが、ノンプログラミングツールであるASTERIA WARP Coreを使うことで、フローの設計、データの紐付けを的確に行うことで、動くシステムが自動で作れるのです。

ハッカソンイベント ワークフロー図

初めてASTERIA WARPを触るという参加者も多くいましたが、サポーターの力を借りながら、一通りのフローを完成させていきます。

ハッカソンイベント フロー作成中の様子

そして、ついに開発終了の2時間を告げるタイマーの音が….!!

作業はここまでで終了。納得のいく仕上がりにできたチームも、心残りができてしまったチームもありましたが、このあとはそれぞれチームごとに発表です。

〜 余談 〜

株式会社ヴァル研究所

ちなみに、今回会場をご提供いただいた株式会社ヴァル研究所さん。

ペッパー君が出迎えてくれる受付には、さすが「乗り換え案内サービス」を手がけられているだけあって、電車にちなんだアイテムが置かれていたり「駅すぱあと」らしさを感じるオフィスになっていました!

実はこの広いセミナールームの本棚にずらりと並んでいるのも… 時刻表!

なんだか電車のロマンを感じてしまいます。

ヴァル研究所の広いセミナールーム

いざプレゼンテーション!審査員の鋭い質問に会場もピリリッ

さて、ドキドキのプレゼンテーションです。

今回の審査員長である Increments株式会社の及川 卓也氏 を先頭に、株式会社ヴァル研究所 代表取締役の太田信夫氏、インフォテリア株式会社の代表取締役社長 平野、同社東京R&Dセンター長 田村が審査員席につきます。

最初にプレゼンを行うのは、チーム「いわさき」。

チーム「いわさき」のプレゼン、「超駅すぱあと」

乗り過ごし、トイレ、突然の電話がかかってきて降りないといけない!等、電車に乗っているときの困った!に答える「超駅すぱあと」という名前のサービスを発表。

緊急で電車を一度降りた際に、ボタンを押すだけで経路を再検索してくれる機能だけでなく、アドオンでの「駅付近のお薦め飲食店」を検索できるといった機能も将来の展望として発表しました。

緊張感に包まれる会場

発表後、審査員からは「そもそもどんなターゲットを想定しているのか?」「例えばトイレが混んでたりといった、動的な情報についてはどう考える?」といった鋭い質問が寄せられました。

プロフェッショナルたちからのこうした質問に、会場はピリっと緊張感に包まれます。2時間で出来たこと、出来なかったことを含め、質問に答える発表者。これはなかなかドキドキしますね…。

続いての発表は、チーム「Need for WC」。

こちらも電車乗車中にトイレに行きたくなった際に、一番近いトイレや、その混み状況、キレイさなどを検索できるサービス「WC RUNNER」を提案しました。

チーム「Need for WC」のプレゼン、「WC RUNNER」

こちら、先ほどの「トイレの混み状況」という動的な情報については、IoT機器をトイレのドアに設置するなどして対応できるのでは?と提案。

「急行などで、最寄りのトイレを通過してしまう場合はどう対応する?」という審査員からの質問には「現時点では諦めるしかない!」という答えではありましたが、具体的なマップのイメージなどもアウトプットしました。

そして、続いてのチーム「チーム新井」。

こちらは「集まりやすく、帰りやすい」という名前で、複数の人が集まる際に、全員にとって集まりやすい中間の集合駅を表示させるサービスを提案しました。

チーム「新井」のプレゼン

通常の乗り換え案内では「FROM」と「TO」を指定することで乗り換え情報を表示させますが、この場合は「TO」があらかじめ決まっていないのが大変だったという開発の裏話も。

駅すぱあとAPIにある「範囲検索」を使うことでその壁を突破し、実際に駅名を入力して表示させるというフローを発表しました。これには審査員からも「中間地点というのは、時間と料金のどちらに最適化されているのか?」という質問が。現在は時間となっているが、今後は選べるようにしたいという将来の展望も語られました。

続いては、チーム「呑んべえ」。

参加者たちのニーズを具体化した「飲み会 ”帰り”タイマー」という、飲み会の参加者みんなの終電を共有し、お店に居れる残り時間を表示してくれるサービスを発表しました。

これは、参加メンバーのそれぞれの最寄り駅と出発駅、帰りたい時間をインプットすることで、それぞれお店を出るべき時間の20分前に全員に通知してくれるもの。

チーム「呑んべえ」のプレゼン、「飲み会 ”帰り”タイマー」

利用者の画面上ではどのように表示されるか?といったアウトプットの画面もプロトタイプで作成。参加者みんなの終電を共有し、飲み会の雰囲気を壊さずに楽しめるといったメリットを発表しました。

お店を出る時刻まで「03:48」

審査員からは「新幹線・有料特急でも対応できるか?」「この4人で一緒に飲んでる、というグループはどうやって判断するのか?」といった質問が寄せられました。

グループ化については、限られた時間内で実現には至りませんでしたが、利用者のエントリー画面をつくることで対応したいとのこと。ユーザー側の利用イメージが伝わるプレゼンテーションになりました。

そして、プレゼンテーションのラストを飾るのは、チーム「下克上」。

こちらは名前のとおり、もともと全体投票で選ばれたアイデアではなく、「どうしてもこれが作りたい!」という立候補・情熱枠として昇格したチーム。

こちらのチームが作成したのは、「駅すとりぃむ 究極の全自動経路探索アプリ」。

これは、いつもの出勤コースで駅へ向かう間に “流れるように” 情報が入ってきてほしいというニーズに答えるサービスで、過去の検索記録を学習し、ユーザーの設定に基づいて「普段使うルートの乗り換え情報のみ」をいつでも好きなタイミングで自動表示させます。

いつも行く場所・時間を、曜日で学習させて、決まったルートを使う人だけに特化したものですが、審査員からは「最初の使い始め、履歴がない状態からはどうスタートさせる?」といった質問が寄せられました(この質問には、最初のみ手動入力で普段最もよく使うルートを設定すると回答)。

果たして「下克上」なるのか!?

こうして、一時間にわたる全チームのプレゼンテーションが終了しました。

長時間にわたるハッカソンが一段落し、参加者の皆さんも「お疲れさまでした!」とリラックスした表情。このあと審査員たちは結果発表に向けた話し合いへ、参加者の皆さんには懇親会会場へ移動いただきました。

懇親会ではチーム関係なく、楽しくお酒を飲みながら、発表の振り返り。緊張感に溢れるプレゼンテーションが終わり、皆さんに笑顔がこぼれます。

そして楽しい時間はあっという間、審査員たちも会場へ戻り、この場でいよいよ結果発表です!

ドキドキの結果発表!大賞&豪華賞品はどのチームの手に!?

懇親会で盛り上がる会場の中、審査員長の及川氏から、今回のハッカソンの振り返り。イベントが始まる前までは想像もできなかったほど、ぎゅっと濃縮したエキサイティングな7時間を過ごしたであろう参加者の皆さん。その他、サポーターとして参加したメンバーたちも勝負の行方をドキドキしながら見守ります。

なかなかの接戦だったということも伝えながらも、及川氏から発表された大賞は・・・・・

チーム「呑んべえ」による「飲み会 ”帰り”タイマー」!

発表された瞬間、チームからは歓声&喜びのハイタッチが!

大賞となったチーム「呑んべえ」には、賞品として「びゅう商品券5万円分」が贈呈されます。

及川氏からは、受賞した経緯について「審査員全員が、すぐにでも ”使いたい” と思った。Googleなども様々な追加サービスを検討しているが、ユーザーをグループ化して時間管理をするという発想はこれまでになく、飲み会にかぎらず、打ち合わせやビジネスの現場などでの汎用性が考えられたのが大賞のポイント」とフィードバック。

チーム「呑んべえ」のリーダーからも、他のチームメンバーとのディスカッションが無ければここまで出来なかったとコメント。賞品は皆さんの手にわたります。おめでとうございます!

続いては、株式会社ヴァル研究所の太田代表取締役より「駅すぱあと賞」の発表です。

こちらの賞は・・・チーム「下克上」の「駅すとりいむ 究極の全自動経路探索アプリ」に与えられました!

4人という、参加チームの中でも最も少ない人数で取り組んだチーム「下克上」でしたが、太田氏からは「決まったルートを使う人だけに特化するという、既存のサービスから機能を減らすという発想が面白い」というコメント。またAIや過去の検索データを活用した機能は、駅すぱあとでも今後取り組んでいくという話も。

「駅すぱあと賞」を受賞したチーム「下克上」には、Amazonギフト券1万円分が贈呈されました。下克上、成功です!

そして、最後に発表されたのは「インフォテリア賞」。

インフォテリアの平野代表取締役から発表された受賞チームは・・・

「チーム新井」の「集まりやすく、帰りやすい」でした!

こちらについて平野は、「アイデアとしても面白く、また開発の中で「FROM」と「TO」を設定するのではなく、駅すぱあとの範囲検索APIで実現したことを評価しました」とコメント。

こちらも学生同士の利用のみならず、ビジネスなどで応用できると考えられたこともあり、受賞したチーム「チーム新井」には、Amazonギフト券1万円分が贈呈されました。

受賞された3チームの皆さん、おめでとうございます!

最後に、今回共同開催として協力してくださった日本電子専門学校から、産学連携教育企画室科長の海野 晴博様にお言葉をいただきました。

インフォテリア賞を受賞したチーム「新井」のリーダーをはじめ、今回は、日本電子専門学校の学生さんも多く参加してくださり、社会人中心のチームで大活躍していましたよ。

今回受賞には至らなかったチームも、最後までかなり接戦だったということで、全員で拍手を送り合い、結果発表は終了。最後は参加者全員で記念撮影です。

今回の「駅すぱあと×ASTERIA」のハッカソンにご参加いただいた皆さま、本当にお疲れさまでした&有難うございました!

懇親会も退出時間ぎりぎりまで盛り上がり、非常に有意義な時間になったかと思います。今回のようなイベントも今後また開催していければと考えておりますので、今回参加できなかった方も、ぜひまた次回のチャンスを楽しみにお待ちくださいね!

ハッカソンレポート、最後まで読んでいただき、有難うございました。


参考リンク

Increments株式会社 及川氏による講演資料はこちらよりダウンロードいただけます