「クラウドデータ連携納涼祭 2014」開催レポート
2014年7月30日(水)アーツ千代田3331にて、「クラウドデータ連携納涼祭2014」~オンプレミスとクラウドとの出会いはこう演出せよ~が開催されました。
今回のイベントのテーマは”納涼祭”。
夏休みを少し意識し、廃校になった中学校を改修して作られたイベント会場『アーツ千代田3331』で開催しました。
開始時刻は夕刻、少しずつ日の落ちる放課後の教室のような雰囲気の中、参加された方々が真剣に講演に耳を傾けていらっしゃる姿はとても印象的でした。
休憩を挟んだ後半、当社スタッフによる手作りのかき氷を筆頭に、フランクフルトやスイカ、焼きそば、駄菓子など「祭」をイメージしてご用意したお料理は、あっという間になくなってしまう人気ぶりでした。
ウッドデッキで涼みながらディスカッションを眺めるお客様の姿もちらほら、虫の音と夜風を感じながらの雰囲気には大変満足していただけたように感じます。
当日は、第1部に主催者・協力各社の講演、第2部にはインプレス社田口様をモデレーターにお迎えしてのパネルディスカッションという2部構成で進めました。長丁場にもかかわらず途中退席の方も少なく、後半はお客様から積極的にご質問されるなど活気もあり、改めて市場の現状や自社の環境ついて考えていただく良い機会としていただけたのではないでしょうか。
各講演レポート
【第1部】
冒頭、インフォテリア株式会社マーケティング本部長 堀野によるご挨拶で幕を開け、第1部は主催者、協力各社による講演が続きました。
講演1
「ユーザー調査結果からみる企業のIT投資傾向 とクラウドへの取組み状況
-これから求められるデータ連携とは?-」
株式会社テクノ・システム・リサーチ
シニアアナリスト 浅沼 邦明 氏
「ユーザー調査結果からみる企業のIT投資傾向 とクラウドへの取組み状況 -これから求められるデータ連携とは?-」と題し、テクノ・システム・リサーチ社で10年来、特にEAI,ESBなどミドルウェア部門での調査を長年続けていらっしゃる浅沼様からお話をいただきました。
まず調査結果から、IT予算は増加するが運用管理予算は減少傾向にあり、 IT部門はよりコスト削減と効率化を求められるという現状をご紹介いただきました。
そしてセキュリティやロケーションなどの懸念が払拭され、クラウドを部分的に上手に活用して、コスト削減と効率化を実現して行こうという意識が高まっているとします。
IT部門は、予算と時間だけでなく、運用の複雑化やニーズの多様化といった様々な課題にソフトウェアを活用した自動化で対応していくべきであること、また今後、各クラウドとの連携を行うためのwebサービスAPIの管理が重要となる点をポイントにあげ、発表を締めくくりました。
講演2
「ハイブリッドを支えるエンタープライズデータ連携」
インフォテリア株式会社 マーケティング本部 プロダクトマーケティング部
シニアプロダクトマネージャー 森 一弥
「ハイブリッドを支えるエンタープライズデータ連携」と題し、クラウド導入の近況と、そこに力を発揮するデータ連携ミドルウェア「ASTERIA WARP」の魅力についてお話させていただきました。
システム環境の変遷に伴いデータ連携のニーズも徐々に移り変わっています。
オンプレミスのシステム連携ではSIer同士での開発が主でしたが、ハイブリッドクラウドの環境では社内システム部門自身で構築を行うという流れが起きています。将来クラウド同士での連携を主とする環境では、各業務サービスを利用する業務担当者がそのデータ連携を行う役割を担うことが想定されます。
その流れから、”ノンプログラミング”というASTERIAの特長は今後の開発現場において重要な視点となっていくことを強調し、具体的な連携例としていくつかの代表的なクラウドサービスとASTERIAとの連携方法についてご紹介しました。
当日の講演資料を掲載していますので、詳細はこちらをご覧ください。
講演3
「Amazon Web Service 企業のクラウド利用のトレンド」
アマゾン データ サービス ジャパン株式会社
パートナー ソリューション アーキテクト 榎並 利晃 氏
「Amazon Web Service 企業のクラウド利用のトレンド」と題し、代表的なクラウドサービスAWSの最新情報をお話いただきました。
最初にクラウドを利用することの意味とメリットを丁寧にひも解き、そしてAWSのサービスとその強み、支持されるポイントに触れていただきました。
また、多くの日本企業がクラウドを利用しているという実態についても、AWSのユーザー事例でご紹介いただきました。”マーケティング部門が主導して導入・活用している”、”頻繁に数値分析を行うための環境として導入した”など、クラウドならではのメリットを機動的なビジネスに活かしているお客様の事例情報に、参加された方も納得感を得られたようです。
改めてセキュリティ上の信頼性に触れるとともに、AWSの特徴についてもまとめてお話いただき、クラウドサービスをまだ利用したことがないという方でもぐっと身近に感じられる内容でした。
【第二部】
最後に、「オンプレミスとクラウドの出会いはこう演出せよ」と題し、登壇者によるパネルディスカッションを行いました。
モデレータはインプレス社ITLeaders編集部 編集主幹 田口潤様に務めていただき、パネリストとして第1部の講演者、テクノ・システム・リサーチ社 浅沼様、アマゾン データ サービス ジャパン社 榎並様、当社 森3名がパネリストとして参加しました。
パネルディスカッションでの主な内容は以下の通りです。
パネルディスカッション
1.クラウド普及の実態について
・世界と日本でのクラウド浸透の現状とその違いの背景にあるSI市場
・既存システムの移行と新規にクラウド上で構築するもの、どちらが多いのか
・顕在化するクラウド環境とのデータ連携ニーズ
2.データ連携のニーズについて
・クラウドとオンプレミスの連携を行うための一般的な手段と難易度
・データ連携ツールは社内・クラウド上どちらに置くべきか
・将来的なエンドユーザーによるデータ連携開発の実現性について
「オンプレミスとクラウドとの出会い」というテーマのもと、アナリスト、クラウドサービス提供者、データ連携ツールベンダ、それぞれの視点から意見交換を行いました。
立ち歩き自由、お食事とお酒をいただきながらのカジュアルな雰囲気の中、”堅苦しい話はなしで”という田口様の語り口も手伝って「クラウド利用は何から始めたら良いのか」「コストはどう変わるのか」と参加者様からの質問も相次ぎ、濃い一時間となりました。