イベント・セミナー

［日経BP社主催］クラウド時代を読み解く！
クラウドコンピューティングと企業情報システムの最適解［東京］

セミナーレポート

2010年1月21日、東京の秋葉原コンベンションホールにおいて、「クラウド時代を読み解く！ クラウドコンピューティングと企業情報システムの最適解 ～『ハイブリッド・クラウドコンピューティング』とは？～」と題されたセミナーが開催されました。定刻14時を迎え、200名を収容可能な会場に300名以上の参加者がご来場され、満席状態となりました。来場くださった方々には、この場を借りてインフォテリア社員一同からも心よりお礼申し上げます。

ハイブリッドクラウドこそ現在の企業システムの現実解

まず、弊社から執行役員兼エンタープライズ事業部 事業部長である油野 達也が、「エンタープライズクラウドの現実解『ハイブリッド・クラウドコンピューティングとは？』 ～パブリック・クラウドからプライベート・クラウド、企業内システムの融合～」と題して講演を行ないました。油野はまず、「多くのプレイヤーがそれぞれにメリットを語るのでクラウドのメリットがわかりづらくなっている」と、クラウドビジネスの現状について指摘。プレイヤーがどの立場から誰に向けてメリットを語っているかを理解することで、クラウドのメリットを理解しやすくなると語りました。クラウドビジネスを取り巻くプレイヤーをインフラ提供者、サービス提供者、企業ユーザー、個人ユーザーの4つに仕分ける視点を紹介し、それぞれのプレイヤーがどの立場にいてどこに向かおうとしているのかを説明。

また、クラウドを自称するサービスが多い実情についても触れ、「ネットの向こうにあればなんでもクラウドであるかのように語られることがあるが、実態は様々です」と語りました。それぞれのサービス形態について理解しやすくするため、ITシステムを9象限で紹介し、特に見極めにくいSaaSとクラウドサービスについては、「クラウドの最大のメリットはスケールアウトできること。スケールアウトできないものはクラウドではなくSaaSと呼ぶべき」と語りました。

クラウドコンピューティングについて検討する際、スケールアウトが本当に必要なシステムを見極める必要があると説いた上で油野は、「インターネット上にあるパブリッククラウド、企業内に構築するプライベートクラウド、さらに従来のサーバー技術と、それぞれのシステムにメリットをもたらす仕組みを組み合わせて使う視点を持つべきだ」と語りました。「それぞれのシステムで最適化し、疎結合でシステム間を連携させることで、クラウドのメリットを得られる部分だけをクラウド化し、なおかつシステム全体の柔軟性を高められます。それがハイブリッド・クラウドコンピューティングです」と説明し、そこで重要なのはデータ連携だとも指摘しました。

ハイブリッド・クラウドコンピューティングを企業システムの最適解と位置づけた後、業務ごとにパブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスの中から最適なものを選択し、ステップと位置づけ、検討から実装までを5つのステップにして紹介しました。また、じっくり設計して構築するのではなく、常に最新サービスを探し続け、よりよいサービスに移行し続けること、契約時はSLAだけに気を摂られるのではなく、預けたデータの取り扱いやサービス継続性についても話し合うことなどを指摘し講演を終えました。

関連記事

1. 「クラウドとオンプレミスのデータ連携で考慮すべき5項目」—パナソニック電工IS: (掲載:ITPro )
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100121/343624/

2. 「”ハイブリッド・クラウド”の導入計画は3段階で進めるべき」—インフォ テリア: (掲載:ITPro )
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100121/343646/

今回残念ながらご参加いただけなかった方には、以下のオンラインセミナーとホワイトペーパーをご用意しています。