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イベントレポート

第1回 AUG 事例研究WG レポート (2016/2/25開催)

ゴルフダイジェスト・オンライン 清水正朗氏が語るASTERIA運用ノウハウ
−「パフォーマンス」「開発体制」「クラウドサービス」の実際 −

第1回 AUG事例研究WG は株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様(以下GDOと表記)を訪ね、同社 経営戦略本部 インフラマネジメント室 シニアプロジェクトマネージャーの清水 正朗 氏にお話を伺いました。

第1回 AUG事例研究ワーキンググループ 開催風景:ゴルフダイジェスト・オンライン 清水正朗氏

GDOはゴルフ場予約をはじめ、ゴルフ用品販売やニュース配信、スコア管理機能などをオンラインで提供している企業様です。サービス拡大に合わせて拡張を続けたことで複雑を極め、全体を把握するのが困難になっていたシステムを、2011年に疎結合のシステムとして全面再構築され、システム間連携をすべてASTERIA WARPに切り替えられました。以降、現在に至るまで「システム間連携は必ずASTERIA WARPを通す!」という規則を貫かれています。

今回、ASTERIA WARPユーザー様の関心事である「パフォーマンス」「開発体制」「クラウドサービス」の3つのテーマでお話しいただきました。

テーマ1:パフォーマンス

GDOは、ショップやゴルフ場予約などの各種サービスを運用されていますが、このようなフロントエンドのサービスも、サービス間にまたがる処理は必ずASTERIA WARPを介してDBにアクセスしています。特にパフォーマンスに問題がでないようシステム設計されていますが、スター選手が優勝した際などは急激にトラフィックが上がるため、性能監視に注意が必要となります。その際、特にキュー状況の監視が重要とのことです。

GDOでは、バッチ処理なども含めるとほぼ1日中アイドル時間なくASTERIA WARPのジョブがスケジュール実行されていますが、フロントのサービスが遅延することのないよう、混雑時にはバッチ処理を遅らせフロント処理を優先実行させます。最悪「止まっても大丈夫なバッチ」をいったん中止できるよう「止まってはいけないフロー」については日頃より周知徹底を図っているといいます。

なお、処理遅延は連携元/先のシステムで発生しやすいとのことです。

テーマ2:開発体制

GDOでは、ASTERIA WARPのフローの新規開発を一部オフショアで実施されています。オフショア開発により、負荷の増減に対応できるとのことです。これに対し参加者から「オフショアに依頼する際、ASTERIA WARPの仕様書はどのレベルまで記載するのでしょうか。細かく記載すると自分でフローをつくるのと同じ程度の手間がかかってしまうのでは?」との質問がでました。これに対して清水氏は「“InとOut”は明確にするが、間の処理は細かく指定しない」と回答。また、既存のフローを流用できるレベルの開発は事業部内でも実施されているとのことです。

開発完了後の本番リリース、その後の運用はインフラマネジメント室で実施されます。開発されたフローをインフラマネジメント室が引き受けるにあたり、「インターフェース仕様書(フローの仕様書)を必ず作成する! 」「インターフェース一覧(フローの一覧)を必ず更新する!」ことを条件にされているそうです。これにより、運用チームが存在を知らないフローは存在しないという状態がキープされているとのことです。

テーマ3:クラウド

GDOではこれまでプライベートクラウドを利用していましたが、新規システムではパブリッククラウドを積極的に利用しているとのことです。パブリッククラウドでは、プライベートクラウド構築時のようにオンプレミス版のソフトウェアの購入を伴わないためサービスの増減への対応がより低コストとなるメリットがあるそうです。また、メモリなどの資源不足の場合にもすぐに増やすことができるというフレキシビリティも評価されています。

ただし、パブリッククラウド利用時も「システム間連携は必ずASTERIA WARPを通す!」という原則は変えられていないとのことでした。

ワーキンググループの様子

編集後記

当日は、インフォテリアのASTERIA WARP開発メンバーも参加し、ASTERIA WARPの「優先実行」や「パラレル処理」、「アンチパターン」など様々なディスカッションが行われました。また、最後に話題はオフショア開発に及び、ここでもお互いのノウハウや情報の共有がさかんに行われました。熱い熱いディスカッションの末、予定時間を15分程超過し、第1回事例研究WGはその後の懇親会へと引き継がれていきました。懇親会ではASTERIAユーザーかつ、情報システム部門という共通の話題がありディスカッションはさらに盛り上がりました。また、次回、次々回の幹事企業も決まり今後の展開が楽しみです!

GDO清水様はじめご参加いただいたユーザーの皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

本日のWG関連資料

株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン様のASTERIA導入事例
ASTERIAの死活監視
サブフローとパラレルフロー

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